浪人・宅浪の成功率はどのくらい? 実際に入試データをもとに調べてみた。
1.浪人・宅浪の成功率
浪人や宅浪の成功率について気になる方は非常に多いかと思います。検索ワードでも、「浪人 成功率」、などと調べる人の数は山のようにいるのではないでしょうか。
私も宅浪で一橋大学に合格しましたが、当時は浪人ってどれくらい成功率が高いんだろうか、ましてや、実際のところ、どれくらい宅浪生が志望大学に合格しているんだろうか、そんなことをしょっちゅう考えていました。
おそらくみなさんが知りたいのは、現役生と比べて、浪人生は合格率が高いか低いかだと思います。
合格率という話をする際には、一般的に受験生が浪人した場合、どれくらいの割合が志望大学に受かっているかという話になります。(当たり前ですが、全ての浪人生が志望大学に受かるわけはありませんし、実際に浪人生・現役生関係なく志望大にぼこぼこ落ちます)
おそらく、こうした合格率は20~60%あたりのどれかの数字になると思いますが、数字だけでは合格率が果たして高いのか低いのかはわかりません。
東大における、浪人生の合格率は28%だ!という数字が出たときに、その数字だけだと非常に低い風に見えます。しかしながら、そもそも東大の現役生の合格率は10パーセントだとしたら、東大を受けた場合の浪人生の合格率は高い、ということになりますよね。
このように、数字だけ見るのではなく、何かの基準と見比べなければ「高い」、「低い」ということになりません。何かと比べて初めて、〇〇は高い、低いということができます。
必然的に、浪人生の合格率は、現役生の合格率と見比べる必要があります。
2.前提となる計算式
前提となる情報として、各大学別の浪人生の合格率は
(各大学別の浪人生の合格者数÷各大学別の浪人生による出願数)
上記の計算を算出していけばいいことになります。
日本の浪人生全体の合格率を知りたければ、
(全大学の浪人生の合格者数の総和÷全大学の浪人生の合格者数の総和)
以上を調べればいいわけです。
ちなみに、私も経験した宅浪の合格率の計算式は、上記計算式の「浪人生」部分を宅浪生に置き換えればいいだけですね。
3.調査
さて、話をもどします。浪人生の合格率を見積もる上では、現役生の場合と比べて高いかどうかが焦点になります。
実際にネットに転がっている情報をもとに探してみました。
参照元のデータは、考えうる限り、ネット上に転がっているものについては以下に限定されると考えられます。
・大手予備校の公表データ
・各大学が公表している入試データ
(ex 入試データ(志願・選抜状況、合格点等) | 学部入試情報 | 一橋大学で学びたい方へ | 一橋大学)
4.実際に見てみた結果
結論から言いますと、浪人生の合格率については公表されているデータはほとんどありませんでした。
もっと言えば、宅浪生の合格率についても、算出もととなるデータは1つもみつけれられませんでした。
そもそも、浪人生の合格者数などについては、合格した人についての情報を一番把握してる「志望大学」側がデータ公表をしていなければなりません。しかしながら、浪人生の出願者数のデータを公表している大学は多くありません。ましてや、各大学別の宅浪生の出願者数データはほぼ公表されていません(まぁ、浪人生についてのデータが少ないのですから、宅浪生についてのデータなんてなおさらです)。
各大手予備校における入試データも、大学側が公表している情報を元にデータ掲載をしているようですから、浪人生の情報も見かけませんでした。
(大手予備校の在籍生徒数&その予備校からの大学別出願者数データとかあればまた少しは違ったかもしれませんが、見つけれられず…)
引き続き、調査を進めたいと思います(もし見つけられた方がいましたら教えてください)
5.京都大学の浪人生の合格率
……という残念な結果でブログを締めたくありませんので、かろうじての調査成果をちょっとだけご紹介。
京都大学については、きちんと浪人生のデータについて公表しています。
入試関係のホームページ(入学者選抜実施状況 — 京都大学)から入試デ―タを調べてみたところ、
合格者におけるデータとして公表されているのは下記のデータです。
1.募集人員・志願者数・合格者数・入学者数等調
2.合格者 最高点・最低点(総点)調
3.志願者・入学者 出身高校等所在都道府県別調
4.志願者・入学者 入学資格取得年別調
5.教科別 欠席者・受験者数調
6.外国学校出身者のための選考調
都道府県ごとの合格率や浪人生の合格率はデータとしてちゃんと公表されています。京都大学様、詳細な情報をありがとうございます。
(なお、自宅浪人生に関するデータは公表されていません)
(出展:平成2 9 年 度 京都大学 一般入試 諸 統 計)
上記のデータは平成29年度における、京都大学の入試出願者、入学者、それぞれにおける現役生と浪人生のデータです。
合格者に占める、現役生と浪人生の割合も乗っけてくれているあたりとても親切です。
上記をもとに、京都大学における浪人生の合格率を算出してみました。
≪京都大学の現役・浪人合格率≫
現役生:32.9%
浪人生:37.8%
わずかに浪人生が勝っている状況ですね。
微妙に浪人生の合格率が現役生の合格率を上回っています。
しかながら、捉えようによっては、そこまで合格率に差はないということもできるかもしれません。
しかも、現役生の中には記念受験で受けている人も多いことを考えると、現役と浪人の合格率にそこまで差はない、という結論もあり得ます。
果たして、この合格率の類似性は、京都大学ほどの難関だからの話なのか、それとも受験界全体での話なのかは、引き続き調査していきたい項目ではあります。
6.東北大学の浪人生の合格率
東北大の浪人の合格率についても載っていました。
これによると、ばらつきはあるものの、浪人生のほうが、合格率は高い傾向にあります。
上記図にある通り、各学部の平均の合格率は
現役生:37.1%
浪人生:47.3%
以上になっています。
緑色で示される、「その他」については2浪以上という項目になります。こう見ると、1浪が最も合格率が高いという状況になっているみたいです。
7.まとめ
浪人生だから圧倒的に受かりやすいわけではないという京大の結果は少し衝撃的です(京大特有の事象かもしれませんが)。
しかしながら、東北大の事例から合わせて考えても、浪人生のほうが現役生より少しばかり受かりやすいという傾向にある可能性あります(全ての大学において調べなければ厳密なところはわかりませんが)。
また、悲観的な方は、ここで「浪人してもそこまでうかりやすいわけじゃないんだ」という受け止め方をしてしまうかもしれませんが、結局のところ、「うかるかどうかは自分次第」という結論に落ち着くのではないでしょうか。
単に、浪人か現役かではなく、「受かるための勉強をしているかどうか」によって合格率は変わってくると思います。現役生でも受かるための勉強をしていれば受かりますし、浪人生でも然りです。しっかり受かるための勉強をして、メンタルを保って、受験勉強をしてみたらよいのではないでしょうか。
合格の為に避けては通れない勉強の仕方や方針については、下記記事を参照下さい。
受験相談も随時受け付けています。
それでは