宅浪を科学する

地方出身の私は、一度入った大学を辞め、浪人を決意、地方での宅浪・二浪の末、一橋大学に入学しました(現在は卒業)。宅浪を成功させるための方法論は「科学的アプローチ」です。

宅浪・浪人における個別指導塾の選び方・気をつけるべきこと

1.個別指導塾の講師の質  

 

最近宅浪生と「個別指導塾」についてのやりとりをしています。

個別指導塾に通っているが、内容として単に「英文和訳をする」など、正直微妙な授業内容でやめるか迷っている、という相談です。

 

私は、「受験生の貴重な時間を、微妙な先生の授業に使ってはいけない」とアドバイスいたしました。

 

正直に申し上げます。私は、前途有望な受験生に、そんな微妙な授業を提供する個別指導塾に対して割と怒りを覚えます。高い志望の大学を受ける受験生に、そんな微妙な先生をあてがう塾はダメダメです。

 

 

 

私は大学時代に個別指導塾でのアルバイトをしていた経験があるのでわかりますが、個別指導塾の講師は質が悪い先生も非常に多いです。

 

そもそも、大学生でバイトとして塾講師をしている方がほとんどですし、教員試験を受けるための食い扶持つなぎで講師をしている人もいます。私のバイト時代の同僚には、司法試験浪人をしつつ、バイトで塾講師をしている方もいました。

 

何が言いたいかというと、基本的に個別指導塾の講師は、ほとんど「専業の塾講師」ではないのです。つまり、本気で、人生を「生徒の指導」に費やすという情熱をもった塾講師はほとんどいません。

 

勿論、中には非常に優秀な方もいます(私のバイト時代の同僚の東大の院生の方は非常に優秀でした。教え方がうまい人も多くいます)。正社員として個別指導塾で働いている情熱のある方もいます。

 

しかし個別指導塾講師の多くは、志望大学大学別の勉強法を知っている人なんてほとんどいませんし、他に本業もあるバイトの方が殆どなので、自分なりの教育方法などを確立したりする動機が極端に薄いのです。

 

 

2.個別指導塾の特性

 

・個別指導塾は学力向上に適しているか

 

個別指導塾に通われている方も多いと思いますが、私の考えは、「高い志望大学を受けるなら先生を選ばなければ個別指導塾に通う価値はない」ということになります。

 

基本的に個別指導塾の主目的は、「勉強をしない生徒に、継続して勉強する場を提供する」ということです。大手の授業料の高い個別指導塾を除いて、だいたいの個別指導塾は、あまり勉強しない中学生や高校生が、「継続的に勉強をする時間を設ける」ために親に言われて仕方なくいくものです。つまり、多くの個別指導は、「先生という名の監督者が横についててあげるから、一緒に勉強しようね」というビジネスモデルであります。(もちろん、そんな個別指導塾ばかりではありませんが、多くの塾がこういう意識でビジネスをしているという事実は疑いようのないものです)。

 

上記のように申し上げましたが、中には本当に教え方がうまく、志望大学別の対策も分かっている先生もいます。こうした先生には本当に教わる価値はあると思います。しかし、その他大勢は「漫然と働いているバイトさん」です。

 

もし、あなたが個別指導塾に何らかの理由で通うなら、玉石混合の塾講師の中で、「質の高い珠玉の先生」を見つけ出し、選ぶ必要があります。

 

 

 

3.私の宅浪時代の話  

 

私自身の話をすると、宅浪時代は国語だけ個別指導を講師にお願いしていました。しかし、最初にあてがわれた先生は、なんだかおっとりしていて、できる人オーラがない先生でした。案の定、指導方法も微妙でした。古典なんかは、「はい、じゃあ順番に頭から訳していこうねぇ~、はい、これはなんの品詞?」という最強に思考停止した教え方でした。「これがなんの品詞で」、「この文章はなんの訳で」、など、ぶっちゃけ解説を見たほうが塾で教わるより早いし、参考書の解説で十分な内容の授業にお金を払うメリットが一ミリも感じられませんでした。

 

教わって2週間ですぐに講師を変えてもらいました。新しい先生は、どうやら別の市から塾がわざわざ呼んできたやり手の先生でした。私のために往復1時間半もかけてきてくれていました。

実際その先生の教え方は素晴らしく、「こういう西洋と東洋の対比の文章を解く時は、それぞれの文化圏でのオーソドックスな考え方を頭に入れておくとよみやすいよ」、「今回解くこの一橋の過去問も、2週間前にやったように、当時の日本情勢を反映した文章だよね、だから~~ということを頭に入れておくと読みやすいし、こういう部分が問われやすいよ、~(うんぬんかんぬん)~」という、最強に過去問逆算思考的な教え方で、かつ、そもそもの現代文問題の読み方にまで踏み込んで教えてくれる先生でした。

正直この先生には頭があがりません。一橋国語にある程度太刀打ちできるようになって試験に臨めたのもこの先生のおかげだと思います。

 

そもそも、この先生の授業においては「一橋の国語の過去問」以外は一切取り扱いませんでした。その上、一橋過去問以外の「一橋国語に似ている問題」もわざわざ持ってきてくれました。(「これ家でやってみるといいよ」といって問題をくれました。あまりやりませんでしたが)

その先生いわく、「大学によって、国語の問題にもタイプがある」そうです。つまり、その大学の過去問を解くことが合格への圧倒的近道になると言っていました。

 

4.まとめ  

私が言いたいのはこれだけです。「先生は選んでください」

 

マネジメントの研究においても指導者が部下について、その部下が伸びるのは、「部下が指導者に対して、心から尊敬している」場合に限ることがわかっています。尊敬していない指導者から教わっている部下は、ほとんど指導者が要因である伸びはみられなかったそうです。

 

当たり前の話ですが、「この人についていけば自分は伸びる」とおもわせられない指導者は優秀ではありません。優秀な人について行かなければ、伸びるものも伸びません。

もしあなたが今教わっている先生に対して「本当にこの人にこのままおそわっていていいものか」と少しでも感じているなら、先生を変えるべきです。

 

いつもステマみたいになって心苦しいのですが、コミュニケーションがとれるその辺の塾講師よりは、大手通信衛星予備校の画面上の講師(コミュニケーションはとれない)の方が圧倒的に指導者として優秀です。(コミュニケーションはとれませんが、勉強の仕方や、問題の考え方を伝授してくれる点で、その辺の塾講師よりはるかに優秀です)

 

塾などに関することでも、いつでも相談受け付けています。

 

それでは